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2006年2月16日 (木)

6クール目

なんとか最終クールです。

入院初日には必ず採血で白血球の数値を計り、正常値かどうか確かめてから化学療法に入るのですが、この日はいきなり数値が3000まで落ちていました。

本当はもう少し、数値を上がるのを待ってから治療に入った方がいいのですが、

「もう最終クールなので、ノイトロジン打ってヤッちゃいましょう!」

というN医師の号令のもと、6クール目がスタートしました。(オイオイ、大丈夫か!?)

さすがに「毒薬」が体に充満しているせいか、体力はかなりダウン。真夏の暑さもあり、ガリガリに痩せて「毛の無いまるで宇宙人のような自分」を鏡などで直視すると、

「人格までもが崩壊していく」

ような気分を味わいます。

そんな私が崩壊せずに、最後まで治療を受けることができたのは、周囲のサポートのおかげ以外の何物でもありません。

このクールはTさんが隣の病室にいたので、気分的に楽でした。

Tさんを追い抜いて退院することは、なんとなく後ろめたい気もしましたが、Tさんがとても喜んでくれたので気持ちが救われました。

母と姉とそのリトルデビルズ(2歳の姪と3歳の甥)が見舞いにやってきました。

甥っ子は、大好きなおじちゃま(相方)がいないので超不機嫌。姪っ子は、私のただならぬ姿を見て、まばたきもせず固まっています。

「おばちゃんね、お腹が痛くて入院してるの。」

私がそう言うと、姪っ子は神妙な顔をして「ちちんぷいぷい」するように、私のお腹に

「ふーっ」

と小さな口をとがらせて「痛いの痛いの飛んでいけ~」をやってくれました。

それでも病院の空気を感じているのか、いつもの快活さはありません。

家に帰ると、姉に

「ママ、これで頭クルクルして。」

とハンカチを持ってきたそうです。

なんのことか意味が判らずにいると、

「ほら、おばちゃんがやってたでしょ。」

って(笑)。私が頭にバンダナを巻いていたので、同じようにしたかったようです。

この子は将来、この日の記憶が残っているんだろうか・・などと思わずにはいられませんでした。

とりあえず化学療法がこれで終了なので、N医師と「これからのこと」について話し合いました。

とりあえず、1ヶ月に1回は外来で採血によって腫瘍マーカーを測定。エコーで内診。3ヶ月に1回はCTで検査。とりあえず1年。

それ以外のことは・・

「妊娠は、最後の化学療法から半年は空けたほうがいいですね。」

毒薬が体から抜けるのがおそらく半年後。その後排卵がきちんとあるかどうか確認してから考えたらどうか、って。

N医師のお兄様も東京のJ大学病院の産婦人科医らしく、私のことについて相談してくれたみたいです。

今までには、妊娠中に化学療法を受けて無事出産された人もいるらしいです。すばらしい勇気です・・。

私が使用した抗癌剤(タキソールとパラプラチン)は、妊娠には影響ないって言われてるけど、卵巣機能が正常に戻らないと話にならないわけで・・。

あまり出産にはこだわらないつもりだったけど、親身にアドバイスを下さるので、神妙に耳を傾けました。

退院前日。

翌日は休みだからと言って、たくさんの看護師さんがお別れの挨拶に来てくれました。

感謝のあまり、首がちぎれるほど頭を下げ続けました。

退院の日。

体調が少々悪くても、天気のいい朝は、朝食後必ず病院の周囲を散歩。

この日も最後の散歩をするために、病院の外に出ました。

木々の間をゆっくり歩くと、肌に触れる風や虫の音で、季節の移ろいをしっかり感じ取ることができるのです。私が病院のベッドで寝ているあいだも、すべてはしっかり前を向いて進んでいる・・。

地面に落ちた葉っぱを見つめて、ワッと泣き出したい衝動に駆られた日も少なくありませんでしたが、この日ばかりは痺れる足を引きずりながらも、フルマラソンを完走したようなすがすがしい気分です。

病室に戻ると、最後の検温。何もかもが感慨深い。看護師さんたちとの雑談も弾みます。

そんな中、私を入院当初から支えてくれたベテラン看護師さんが、

「Kさん、あまりあせらずゆっくりいこうね。落合監督の奥さんだって、40歳過ぎてから出産したからね!」

って(笑)。オチアイノブコ氏ですか~・・。うーん・・。

「この病院の最高齢出産記録は何歳ですか?」

って質問すると、

「う~ん、43だったかなあ・・。」

って。あと10年あるぢゃないか!トライする価値はあるかな(笑)。

とても機嫌が良かったので、携帯でベッド周辺の記念写真?を撮り、治療が終了した喜びをしみじみ噛み締めました。

「2度とここに帰って来ませんように・・。」

母と2人でTさんとナースステーションの皆さんに挨拶をして、父の待つ車に乗り病院を後にしました。

続く

******きょうのごはん******

021601

たらのクリームシチュー サラダ

極力バターを少なくしてるつもりですが・・。にんじんが苦手なので、いつも相方に全部差し上げています。

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コメント

最終回って、感慨深いものですよね。
本当にご苦労様でした。
N先生のお兄様のいらっしゃる大学病院って、
まさか私の病院?
Nって産婦人科の先生いらっしゃったかな。

この間のビーフシチュウといい今日のクリームシチュウといいおいしそう。
うふ♪またまねっこしちゃおうかな。

投稿: ellie | 2006年2月17日 (金) 08時39分

にんじん食べないと大きくなれませんよっ!

完走記念TBします。

投稿: yann | 2006年2月17日 (金) 13時49分

うまそうなくりーむしちゅーやなー。有田はどこ?上田は?

私は家から歩いて5分の病院。今でもよく前を通ります。で、8号室の窓を見上げながら、「あそこに私と同じ気持ちで空をみている人がいるんだろうなー」と。感慨ひとしお。

TBしました。

投稿: きゃんべる | 2006年2月17日 (金) 14時47分

ellieさん

N先生のお兄様は、先日スッチーの嫁を連れて実家(開業医)に帰ってきたそうです(笑)

兄弟揃って医師になるってすごいですねー。(お金かかる)

投稿: カラカラ | 2006年2月17日 (金) 20時03分

yannさん

にんじんは馬の食べ物なのです。
人間様が食べる時は、すりおろして食べる(カレーの時)のですっ。

最後の日は、やっぱ感動しましたよ。
yannさんの涙の理由もよく分かります。

投稿: カラカラ | 2006年2月17日 (金) 20時11分

きゃんべるさん

私も病院前をよく通ります。
風呂場の窓から高速の料金所が見えていたので、先日そこから裸が見えてなかったかチェックしました(苦)

投稿: カラカラ | 2006年2月17日 (金) 20時15分

つい先月最後の抗癌剤を終えました。
私も二度とここに戻らないぞと思いつつ
記念に点滴の写真を息子に撮ってもらいました。

カラカラさんが何時の日にか喜びの入院が出来ることを祈っています。

投稿: のほほん | 2006年2月17日 (金) 22時39分

のほほんさん

卒業おめでとうございます!
やはり、みなさん記念撮影されるのですね(笑)

ありがとうございます。
お気持ち、うれしいです。

投稿: カラカラ | 2006年2月18日 (土) 00時03分

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